紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
連絡先:kiikankyo@zc.ztv.ne.jp 
ホーム メールマガジン リンク集 サイトマップ 更新情報 研究所

  <紀伊半島の巨木を訪ねる>

 三重県御浜町上野 尾呂志城跡の大スギ

 三重県南牟婁郡御浜町上野の尾呂志城跡に2本の大スギが生育している。尾呂志城跡を通りかかった時に、一見して松のような枝振りの大木が目にとまった。しかし、それらはよく見ると大きな杉の樹であった。各地の杉の大樹を見る機会が多いが、通常,、幹は真っ直ぐに天に向かって伸びている。このように主幹がねじ曲がり、大枝が地面に着きそうな大スギは初めてであった。ここ尾呂志の地は冬に風峠を超えて強風が吹き込むことで知られている。強風に耐えてこのような杉らしからぬ姿で大木に生長したのであろう。尾呂志の古い民家が風を防ぐ石塀を築いているのを見ても、この地の季節風の強さを実感する。

 大スギが生育する尾呂志城跡は、戦国時代の永禄年間に尾呂志氏によって築城され、隣りにある現在の尾呂志小中学校の敷地を含む規模であったようだ。この敷地には、明治18年に焼失してしまった紀南地方で有名であった別の大スギ(幹回り14.2m、樹齢700年)があったと案内板に記されている。

 この2本の大スギは、御浜町指定の天然記念物となっている。
 
(写真をクリックすると拡大します)
尾呂志城跡に生育する2本の大スギ。風伝峠を越えてくる強風によって、右側のスギの幹は傾斜し、主枝が地面に着きそうになっている。
2本の大スギの近景。
大スギの幹は傾き、枝は地面に着きそうだ。

「紀伊半島の巨木を訪ねる(巨木リスト)」へ
「ホーム」へ